ある日私は、眼を拾った。

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「うわあ!!? 気色悪い!」  思わず私は、その得体の知れないモノを床に投げ捨てた。  下からのアングルで、恐怖に引き攣る私の顔が映ると、どこからともなくあの声が聞こえた。 『--ザンネンだ……所詮アナタも、見てくれで物事を判断するココロの狭いニンゲンか』  少女の声が段々と低くなるにつれて、視界がゆっくりと高くなっていく。  ということは、人形が、ひとりでに宙に浮いている……? 『やはりアナタに、眼は必要ナイ』  次の瞬間、まるでテレビの電源が切れたように、私の視界はプツリと閉ざされた。
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