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リビングに戻り、再びテレビの前で朝食を摂る。テレビの画面は相変わらずハリケーンの被害の様子を映していたが、突然画面がスタジオに切り替わった。
『えー、ただ今入りました速報です。えー、過激派組織--国が……かいめつ……? えー、壊滅した、と情報が入りました。えー、繰り返します』
たどたどしく喋るキャスターの言葉に、私は思わず口に含んだコーヒーを噴き出した。
『えー、先程現地入りしたジャーナリストの話によりますと、建物が全て、まるで上から押し潰されたように崩壊しており、過激派組織を含む国民もまた、いたるところで血を流し倒れていると--』
放心状態でテレビ見つめ続ける私。
やがて、ある考えが頭を過ぎる。
…………まさか。
まさか私が、地球儀に向かって、念を送ったから?
……いや、違う。あの地球儀に、触ったからか…………?
だとしたら何か? あの地球儀は、本物の地球だとでも言うのか?
まさか、そんな、有り得ん。
虚実の地球を触っただけで、現実の地球に影響を及ぼすなんて--
その時、私は思い出した。
そう言えば、箱から取り出した時も一度触っている。
それによって千人死んだ地震が起こり、ハリケーンは--
『へっくしゅ!』
…………私の、くしゃみが原因?
じゃあ、じゃあじゃあじゃあ--
私は、億単位で、人を殺したと言うのか…………?
カタカタと自然に歯が鳴り出す。
いや、まだ決め付けるな。まだ確かめなければ……!
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