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急いで部屋に戻り、私は地球儀をぐるりと見渡した。
そして海にポツリと浮かぶ島を見付ける。
この島は確か、核兵器の実験島だったハズ。こんな非人道的な島なら無くなっても問題無いだろう。
私は恐る恐る、その島を指先でちょんと触れた。
…………さあ、どうだ?
私は急いで下へ行きテレビを見た。
テレビは先程のテロ国家壊滅のニュースで持ち切りだった。
……出ないな。
「あなた、さっきから行ったり来たりしてどうしたんです?」
私の行動に妻が首を傾げるも、構わず私はテレビを見続けた。
やがて、画面上に白文字でテロップが表示された。
【ニュース速報:--島の核実験施設が爆発炎上】
……出た。もう間違いない。
私は……この手で、くしゃみで、人を……人ををををを……!
フラフラと後退りしテレビの前から離れると、私は自室に向かうため階段に足をかけた。
「あなた、そろそろ出ないと」
「…………今日は、会社休むよ」
「あら、体調が優れないの? そう言えば顔色悪いわね」
そりゃ、顔色くらい悪くなるだろう。
なんせ私は、億単位で人を殺した、人類史上最悪の大量殺人鬼になってしまったのだからな。
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