地球も人間も、青かった。

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 まるで童心に返ったような気持ちでリアルな地球を夢中で眺めていると、ふと視線を下に向けた。  台座のところに、10桁のデジタル数字が付いている。  一番左の数字は7。その次が2、1、6、3、9……と数字が続く。  ただ、右の3桁の数字だけ目まぐるしく数字が変わっている。特に1の位と10の位は変化が早い。例えるならストップウォッチの秒以下の単位だ。 「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん…………」  何気なく桁数を数えた私は、ピンときた。  72億……もしやこれは、地球の人口を示しているのでは? って、まさかな。  恐らく電波時計と同じ仕組みで動いているのだろうが、地球上の全人類の数や人の生き死になど、誰がどうやってこうも正確に把握できていると言うんだ。  お。今、千の桁が減った。って事は世界のどこかで千人の人間が一度に死んだって事か? 「あなた、ご飯よー」  下から妻の呼ぶ声が聞こえ、私はもっと見ていたい気持ちを抑え地球儀に箱を被せて部屋を出た。
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