地球も人間も、青かった。

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 次の日の朝。私はテレビのニュースに目を疑った。 『昨夜突如として--大陸全土を襲った超大型のハリケーンにより、死者行方不明者は歴史上前例が無いほどの大多数に及び、各地に甚大な被害が出ているとの事です。これにより全航空便はストップ、株価も暴落し経済にも大きな打撃が--』  テレビの映像は、上空から見た変わり果てた経済大国の都市部を捕らえていた。  ビルは土台だけを残し跡形も無い。まるで怪獣が暴れた後のように目茶苦茶だ。  私は朝食の途中にも関わらず、本能的に自室に向かい、すぐに机の上の地球儀を確認した。 6962509431  …………じ、十億の桁が、減ってる……。  人口が、70億を切ってしまった……!  間違いない。やはりこの数値は地球の人口で確定だ。  つまりこの数値が0になった時が、人類滅亡の時…………。  まあそんな事、天地がひっくり返ったり地球が爆発しない限りまず有り得ないだろうが。  しかし、超大型のハリケーンとは災難だな。昨日の地震と言い、自然災害だけはどうしようもない。地球と人間が喧嘩したら地球が勝つに決まっている。  だから人間は、勝てる見込みがある同じ人間とだけ争いを続けているのだろう。  私は土台を持って地球をぐるりと回した。  確か、この辺だったな。最近テロやら公開処刑やらで何かと話題に上がる国は。敵国であるあの国がハリケーンに襲われてさぞや喜んでいる事だろう。  私はその国の場所を指でトントンと叩いた。  おい、お前達。争いなんてやっている場合じゃないぞ。地球はお前達だけの物じゃないんだ。あまり好き勝手やるなら国もろとも消えてしまえ。  ふ、まるで神様になった気分だ。
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