不健全なキミと、健全なお付き合い

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笹原くんは放課後、いつも地学室に来るなり昼寝をしていた。そして、私が起き上がる頃になると、のっそり起きて天体観測室に向かうのだ。 毎日何時までいたのか知らないけれど、きっと学校が許可しているギリギリまでいるに違いない。彼は、夜間活動届なんてものを提出してまで残っているのだ。 そうまでして、観測をしていた彼が、私のせいで止めてしまっていたのなら困る。もう進路も決めて、ちゃんと勉強している彼を、邪魔するつもりは無い。 「こんな俺はやだ?」 「だからっ、そういうのっ」 「俺は奈留と一緒にいたいだけ。迷惑?」 「め……」 迷惑じゃないと言ったら、きっと何も変わらない。 でもさ、一緒にいたいとか言うけれど、それはなんで? 毎日毎日構ってくるけれど、それはなんで?
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