173人が本棚に入れています
本棚に追加
「いるかもしんないけど、俺はしないし、橋口とも付き合ってない。どうして、そんな誤解したのか、説明してほしいんだけど」
私が何も答えないと、ギリッと手首を回した。
「痛っ……!」
「ねえ、友久さん」
いつもは何回行っても「奈留」か、「友久」なのに、嫌みったらしくさんづけする。
「じゃあ、なんで抱き合ってたの?」
「はあ!? そんなことしてないけど」
「してたもん。見ましたぁ。ここで! 二人で! 抱き合ってたんだから!!」
笹原くんは、考え込む顔をする。その隙にちょっとだけ緩まった手を解こうとしたけれど、やっぱり無理だった。
最初のコメントを投稿しよう!