不健全なキミと、健全なお付き合い

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「いるかもしんないけど、俺はしないし、橋口とも付き合ってない。どうして、そんな誤解したのか、説明してほしいんだけど」 私が何も答えないと、ギリッと手首を回した。 「痛っ……!」 「ねえ、友久さん」 いつもは何回行っても「奈留」か、「友久」なのに、嫌みったらしくさんづけする。 「じゃあ、なんで抱き合ってたの?」 「はあ!? そんなことしてないけど」 「してたもん。見ましたぁ。ここで! 二人で! 抱き合ってたんだから!!」 笹原くんは、考え込む顔をする。その隙にちょっとだけ緩まった手を解こうとしたけれど、やっぱり無理だった。
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