怪談～秋田川体験談～黒本

おしいれ

　おじいちゃんとおばあちゃんの家は、少し広い家で、トイレが敷地に３個くらいある家です。

　私のひいおじいちゃん。

　つまり三代前の秋田川……なんて秋田川は本名ではないので、その言い方はどうかともおもいますが。

　そう、とにかく、私のひいおじいちゃんがお稲荷様の神主だったとか、それよりもっと昔に怖いことが起きたとか、いろいろな話がある家みたいなのですが、昔話のことは良く知らないんですけどね。

　まぁ、とにかく、仏壇のほかに神棚が他に複数あったりとか、そう言うのがあるくらいで、よくあるちょっと大きめな田舎町の一軒家です。

　そんな少し広めの家なもんで、親戚や近所の子供が集まった時は、かくれんぼだったり、鬼ごっこだったりが始まったりして。

　で、その日も、親戚の子供と、私と私の兄弟で、かくれんぼしようよってことになりまして。

　とは言え、広いと言っても、子供が数人集まってかくれんぼすると、隠れる場所はだいたい決まっちゃってたりして。

　納屋だったり、庭の池に井戸から水をくみ上げてるポンプ小屋だったり。

　ずるい奴なんかはトイレに入って鍵をかけて使用中にしてたり。

　まぁ、そんなわけで、かくれんぼが始まり、その日、私は、おじいちゃんおばあちゃんの寝室の、押入れに隠れました。