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「あれ? Aの奴、いなくない?」
AってのはO君と一緒でイニシャルなんですけどね。
そう、なんと、その日、一緒に集まった仲間のA君がいなくなってしまったんです。
A君って言うのはすごい陽気な奴で、みんな最初はふざけてるのかと思って、みんなA君の名前を呼んで探したんですね。
でもね、A君、出てこないんです。
だんだんみんな怖くなってきて、焦って、A君を探そうって、そんなことになって。
当時、携帯電話があれば、何か変わっていたかもしれないんですが。
もう、15年位前のはなしだから、O君含めて、誰も携帯電話なんか持ってなかった。
そういう時代で。
とにかく携帯電話が無くて、真っ暗な古戦場でA君がいなくなってしまったんです。
O君はその時、すごい嫌な予感がしてね。
まぁ、みんなといるから、特に顔には出してなかったんだけど、着いた時から、なんか居心地が悪くて、すぐ帰りたかったそうなんです。
でも、誰もそんなこと言わないから黙っていたらしいんですけど。
と、そんな気持ちでいたからか、O君はその時、A君のことがすごい心配になって、とても怖くなって。
で、みんなと探し始めて15分たって。30分たったんですが、やっぱりA君、どこにもいないんです。
A君が見つからないまま、みんな疲れてきて、でも、置いていくことなんて誰も考えないで探してたんですけど。
それでも、1時間が過ぎる頃には、みんなすごい疲れちゃって、もう、帰ろうと言う話になりまして。
あたりはまっくらだし、どこ探したら良いのかもわからなくて。
多分、先に帰ったんだよ、なんて言いながらみんなで帰る準備を始めたそうなんです。
でもね。そんなことを話してたら、A君。ひょっこり帰ってきた。
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