第1章 白い家

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いつからだったろうか。 夏の薫りのする、海が見える丘に建つその家に住みたいと想ったのは。 俺は思い描いた。 潮の香りと、眩しい光が包みこむその、何かに抱かれているような空間を。 夏が来るたびに、脳裏に浮かんでは消えていた。 それは現実となった今も、夢と現実の間で彷徨い続けている。 俺と、アイツの関係のように。
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