第1章 白い家

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だが俺は、不動産屋の前に立ちすくみ、一瞬考えた。 待てよ…… シェアハウスというのは、知らない人間と同居する場所だ。 当然、顔を合わすのも嫌な人間とも、毎日のように顔を合さなくてはいけない。 俺にとって顔を合わすのも嫌な人間とは……… 二人に一人は、そうなる計算だった。 何しろ俺が苦手で、大嫌いな人間とは…… 『オンナ』という生き物だからだ。 なぜなのか、いつからそうなったのか、自分自身でもわからなかった。 それが……ハルヤに出会ってから、初めてハッキリとした。 わからない方が、良かったのかもしれない。即ち、ハルヤに出会わなかった方が、俺は……幸せだったのかもしれない。
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