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壱
軽井沢の別荘に着くと、
淳は貴子を来賓に紹介して回る。
だが、皆が皆一様に
貴子を部外者という態度で
あからさまに毛嫌いしているのが分かる。
戸惑い、ただでさえ、不安な貴子。
なのに、この場での
唯一の拠り所である淳が美奈に連れ去られる。
「淳さん、こっち来て。
・・・・・紹介したい人がいるの。」
そういって、
婚約者の貴子の前で腕を絡ませる美奈も美奈だが、
分りました、と淡々と応じる淳にも呆れた。
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