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  淳はチラリと貴子を見て、言う。 「・・・少し、待っていて頂けますか?」 分りました、以外に言える言葉など あるはずもない。 潮が引くように 貴子の周りから人がいなくなり、孤立する。 皆が楽しそうに談笑する賑やかな会場で ポツンと独りきりの貴子。 いつもはこういう席では必ず 歩が隣にいてくれるから、居られるけど そもそも、こういう席が得意ではない。 共通点が何一つない集団と話すのは 人見知りの激しい貴子には苦痛なこと。
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