*始まりの入学式*

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*始まりの入学式*

美麗side 「だーから!あれだよ、うちらと同級生のイケメン!」 朝から七海の甲高い声が、耳に鳴り響く あんたの声はサイレンか、七海 「別に興味ないってば、関係ないし」 相も変わらず、無表情で薄い反応をする そう、関係なかった この時までは――… ―――― 長い校長の挨拶 眠い、ただそれだけ 「あのっ!」 ふと、後ろから声がした 私だと少し悪いので、後ろを振り向いてみる 「あっ!すみません、俺のヘアピン落ちてませんでしたか?」 色素が薄く、髪がはねた男子だ 案の定、私の方を見ているから、私に言っているようだ 「知らないし、見てない」 シンプルな答えを返して、元の体勢へ戻る だけど後ろから、「えー…どこだろう?」だの「俺のー!出てこいーっ」と聴こえてくる 煩い奴だなぁ… 耳障りだし 「…ねぇ」 このままだと、眠ることも出来ない 多少抵抗があったが、煩いよりはマシだ そう思い、持参のピンを二本渡した 嬉しそうに「ありがとう!」と言ってきた 「別に」なんてそっけなく返したが、どうやら、これが悪かったようだ… まさか、あんなことになるなんて…
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