第1章

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ある 夏の暑い午後に、道を歩いていた僕は、石につまづいて転んだ。 ちょっと はずかしかった。 石を 拾い上げたら、いや、拾い上げようとしたのだけれど、持ち上がらない。 よくよく観ると、それは、星の形をした、小さな、小さな、星の欠片(かけら)だった。 『痛いじゃないか!!』 星の欠片(かけら)が言う。 『僕だって、転んで、痛かったんだ。お互い様だよ。』と 答えると、 星の欠片(かけら)は 驚いて、 『言葉がわかるのか?』などと 言っている。 『僕は もう 14歳だよ。言葉くらい、わかる。日本語だけだけど…』 星の欠片(かけら)は、嬉しそうに、 『僕の友達、み~つけた!!』と言いながら、 浮き上がって、僕の額に張りついた。 前髪を かき分けると、星の欠片(かけら)は、 『隠れているんだから、前髪、おろしておいて!』 一方的に、友達になって、額の上で いばっているけれど、何故か憎めない。 可愛いとすら、思えてくる。
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