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ある 夏の暑い午後に、道を歩いていた僕は、石につまづいて転んだ。
ちょっと はずかしかった。
石を 拾い上げたら、いや、拾い上げようとしたのだけれど、持ち上がらない。
よくよく観ると、それは、星の形をした、小さな、小さな、星の欠片(かけら)だった。
『痛いじゃないか!!』
星の欠片(かけら)が言う。
『僕だって、転んで、痛かったんだ。お互い様だよ。』と 答えると、
星の欠片(かけら)は 驚いて、
『言葉がわかるのか?』などと 言っている。
『僕は もう 14歳だよ。言葉くらい、わかる。日本語だけだけど…』
星の欠片(かけら)は、嬉しそうに、
『僕の友達、み~つけた!!』と言いながら、
浮き上がって、僕の額に張りついた。
前髪を かき分けると、星の欠片(かけら)は、
『隠れているんだから、前髪、おろしておいて!』
一方的に、友達になって、額の上で いばっているけれど、何故か憎めない。
可愛いとすら、思えてくる。
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