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考えに沈んでいた皇海幸生が銀縁眼鏡を光らせた。
「そうするとBSは、一番遠くにあるA地点にもっとも価値のある報酬があると見て、そちらに多くの人員を割いた。そして近い位置にあるB・C地点を続けて回るか、あるいは、どちらか一方を捨てたのかも」
空木が言った。
「BSに先手を取られたのは痛手だが、これで作戦も立てやすくなった。早池、よく気付いてくれた」
空木は早池せいらを褒めると同時に、心の内で謝罪した。
病弱な早池を足手まといのお荷物だと考えていた自分の浅はかさを恥じた。 実際のBSとの戦闘ともなれば戦力外かもしれないが、誰もが見落としたていたことを早池は気付いた。チームが勝利するには、彼女のような能力が重要になってくる。それは早池せいらに限ったことではない。雨飾里奈や皇海幸生のようなやつだってチームには必要不可欠な人材なのだ。それを理解していなければ、この戦いには負ける。
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