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思い出してまた泣いてしまう。
「ウッ…ウック…ウッ…」
「マオ。」
「私はどうしたらいい?どうしたらアイルみたいに愛される?何で私じゃだめなの?舌が肥えてる料理人の彼にそぐわない食事を用意したから?リモコンをガンガン踏んずけていたから?頭を掻いていたから?ああ、でもその二つは今朝の出来事だからそれが原因ではないわね。」
「マオってば」
「私は浮気はしていないし、彼を好きな気持ちも負けない!飽きられた?なら、どうしたら飽きさせなくいられる?もう若くないから?男は若い女が好きなの?」
「……。」
「ねえ、教えてよ!男を飽きさせないコツとかあるんでしょう?教えてよ!」
「……。」
「アイル!」
「…いいものあげようか?」
「いいもの?」
「楽しい気持ちになるよ。量間違えると危険だけど。」
「アイル!ふざけないで!」
「いや、ふざけているつもりは…。」
やっぱりだ。
妙にテンションが高いと思ってたらアレのせいだったのか。
「旦那が私に甘くて…へへへ。」
「馬鹿な事はやめなよ。」
「皆やってんじゃん。マオは真面目過ぎるんだよ。大体旦那も…」
「やめてよ!彼は、一緒にテレビを観ている時に、アレをやって白目を剥いて涎垂らしている馬鹿を見て引いてたわよ!マオはこんな事に興味ないよね?マオのこんな姿俺は見たくないって言われたわ。」
「だから量…」
「量じゃない!」
そんなラリってて子供達は…
子供達?
「アイル!子供は!?」
「あいつら出てった。」
「出てった…って?」
「男でも出来たんだろ?達者でやってりゃいーけど。」
アイルは大事な親友だ。
この街にきたばかりの、右も左も分からない私に色々教えてくれたし助けてもくれた。
相談にも乗ってくれるし、何より一緒にいて楽しい。
でも
理解出来ない。
「理解出来ないって顔してんね。」
「……。」
「わたしゃ、マオが理解出来ないよ。」
「してもらわなくて結構。」
「…マオ。いいもの…あげようか?」
「だから!」
「違う。アレじゃなくて。」
「?」
「すぐ戻る。ちょっと待ってて。」
そう言うとアイルは家を出て何処かに言ってしまった。
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