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「本当?」
「うん」
美和は嬉しそうにベッドに飛び乗る。言い忘れていたがこの部屋は二人部屋なのである。ベッドは美和用、布団好きの私はその下で寝ている。
「今日さぁ、学校でマリちゃんと鉄棒やったんだぁ。お姉ちゃんスカート回りって知ってる? スカートをね、こうやって、鉄棒に巻きつかせてそのまま回るの。それでね……」
美和はベラベラくだらないことを喋り続ける。
「そう言えば、マリちゃんのお兄ちゃんってお姉ちゃんと同じクラスでしょ。マリちゃんは美和が羨ましいって言ってたよ。お兄ちゃんって優しくないんだって」
まあ、タケシ君だしな。
「でね、美和もマリちゃんの話聞いてて、やっぱりお姉ちゃんで良かったって思ったよ」
「ふうん」
「ところで、お姉ちゃん何作ってるの?」
「……不要になったチラシをハサミで切って、小さくしてる」
「何で?」
「捨てる時、かさばらないから」
言いながら全てをゴミ箱へ突っ込んだ。
「お姉ちゃんって、あったまいいね」
妹という代物は、あまり良い物ではない。
『妹って言うのはね、愛の結晶なの』
そう言えば、愛美ちゃんママが艶かしく言っていた。
『まだ、愛美にも秘密にしているのだけれど、愛美にも妹が出来るのよ』
妹と言う代物はあまり良い物ではないけれど、きっと悪いものでもないのだろう。
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