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 198○年 3月○日  新潟市小野崎産婦人科医院で、午前7時頃火災が発生し、建物は全壊、うち一部が海に流された。現在、乳児三名が重軽傷、一名が行方不明となっている。  出火当時、院内には出産産後に伴う入院患者五名とその乳児四名、医師一名、看護士二名の計十二名がいた。患者五名は看護士一名に付き添われながら自力で脱出、もう一名の看護士と医師は乳児の救助に当たったが、一名が未だ行方不明となっている。  出火当時、乳児は沐浴室に集められており、母親の名前が書かれた足首のバンドを外している状態だった。行方不明になっているのは、春野亜季さんが出産した双子(女の子)の一人と見られている。産院は海に面した崖の上に建っており、赤ちゃんは倒壊した建物と一緒に海に流された可能性が高いと見て、現在捜索中である。出火元は厨房と見られている。
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