第18話 切なくて甘くてズルい

第18章 ミツバチの誘惑

「いつからそこに？」

怒ってるわけじゃなかった。

むしろ――。

「はじめからずっと」

「じゃあ僕の気持ちは聞いてたね」

彼の瞳は

枯れない泉を湛えたように優しい。

「うん。あなたを理解しなくてごめん」

こんなにも愛されていた。

「言ったろ？僕のせいさ。もう不安にさせない」

今じゃ駆け引きなしに

思い合えるほど――。