エピローグ レッドパール

6/6
110人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
美百合の身体は、今やはっきりとソレとわかるほどに震えている。 いまだ自分が何を言われたのか、理解できないままでいる。 龍一はそっと硬く握り締めた美百合の手を解くと、自分の心臓の上に重ねた。 緊張で息を止める美百合に、龍一の心が伝わってきた。 龍一の胸の鼓動が、まるで早鐘のように鳴っている。 「……龍一」 龍一はふと甘く瞳を滲ませ、 「お前に巡り会えた奇跡を、俺は絶対に守るよ」 と言った。      ――了――
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!