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美百合の身体は、今やはっきりとソレとわかるほどに震えている。
いまだ自分が何を言われたのか、理解できないままでいる。
龍一はそっと硬く握り締めた美百合の手を解くと、自分の心臓の上に重ねた。
緊張で息を止める美百合に、龍一の心が伝わってきた。
龍一の胸の鼓動が、まるで早鐘のように鳴っている。
「……龍一」
龍一はふと甘く瞳を滲ませ、
「お前に巡り会えた奇跡を、俺は絶対に守るよ」
と言った。
――了――
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