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ハウスの中でそのまま龍一を求める美百合を横抱きにして、ダッシュの勢いで玄関のドアを蹴り開ける。
その大きな物音に驚いた美百合の父親が、リビングから顔を覗かせて、
「どうした龍一くん。血相変えて……」
話しかけてくるが、
「あ、パパー」
腕を伸ばす美百合の肩口が大きく開いて肌があらわになる上に、その瞳が腹立たしいぐらい色っぽく濡れているので、強く抱きなおして、美百合の顔ごと自分の胸に埋めた。
こんな顔、実の父親にだって見せてたまるか。
「絶対に二階には来ないでください」
龍一は宣言するように言って、美百合を抱いたまま階段を駆け上がる。
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