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座り込んだ浩輔の頭の上のカウンターガラスが、音を立てて割れる。
浩輔は思わず両腕で自分の頭を庇いうずくまった。
相手からの反撃が始まったらしい。
事務所内という狭い空間で、龍一はたったひとり、どうやって対抗しているのだろう。
興味はあるが、流れ弾が恐ろしくて顔をあげられない。
コンクリート製の壁に身体を預けて、這うようにして廊下を進んでいく。
さっき龍一が、まるで親しい家でも訪ねるように無造作に開けたドアの影から、そっと中を窺う。
龍一は、こちらに背中を向けたソファーの背もたれに身を隠しながら、浩輔のおどおどとした姿と視線を認めた。
ニッと余裕さえ感じさせる笑みをその頬に浮かべ、次の瞬間、自分の銃を天井にむけてぶっ放した。
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