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時計を捨てると、スマホの機嫌が直ったので、今後時計など買わなくてもいいだろう。
そんなことを思いながら帰ってきたのが翌日。
玄関には靴が二つある。
慌ててリビングまで走ると、一組の男女。
「俺らをこうやって会わせてくれてありがとな。」
「この人と一緒に暮らせるようにしてくださり、ありがとうございます。」
それだけを言うと、男女は出て行った。
何のことかは分からなかったがおそらく、彼らが座っていた処にある、あの時計の針が応えなんだろう。
少し機嫌がよくなった俺に対し、スマホが拗ねたもんだから、数日ののち、会社から追い出されることとなった。
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