第1章

4/4
前へ
/4ページ
次へ
時計を捨てると、スマホの機嫌が直ったので、今後時計など買わなくてもいいだろう。 そんなことを思いながら帰ってきたのが翌日。 玄関には靴が二つある。 慌ててリビングまで走ると、一組の男女。 「俺らをこうやって会わせてくれてありがとな。」 「この人と一緒に暮らせるようにしてくださり、ありがとうございます。」 それだけを言うと、男女は出て行った。 何のことかは分からなかったがおそらく、彼らが座っていた処にある、あの時計の針が応えなんだろう。 少し機嫌がよくなった俺に対し、スマホが拗ねたもんだから、数日ののち、会社から追い出されることとなった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加