第1章

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幸せ過ぎると弱くなる。 確実に涙もろくなったし、自分のことを赤西君がどう思うかと気になって、なかなか行動できなくなった。 言葉で態度で好きだと伝え続けてくれる赤西君を信じきれないのは、私が弱いからだ。 分かっている。 泣いたら卑怯だ。 そう思えば思うほど、涙が溢れ出てきて、更に自分が嫌になる。 無意識に噛み締めた唇にひんやりとした指先が触れた。 「自分責めないで…………」 指先が唇を噛んでいることを 言葉がわたしの心情を 優しく包み込むように指摘してくれる。 上目遣いに見た赤西君が フーッと息を吐いた。
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