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「おーい、高見沢!こっちこっち!」
待ち合わせの駅前で、修は、圭吾に、手を振っていた。
「千葉、待ったか?」
「いいや。時間通りだよ。さあ、行こうか。」
「他のみんなは?」
「現地集合だよ。俺は、お前と一緒に行きたかったからさ。」
「なあ、俺、合コンなんて初めてだけど…。千葉は、参加したことあるの?」
「聞くなよ…俺も、実は、初めてなんだ。」
「なんだ。ちょっとばかり安心した。」
「おい、変なことで、安心するなよな。まったく…。」
修は、ちょとばかり、むくれていたが、俺は、本当に、安堵していたんだ。
高校の時から、夜の遊びを覚えて、繁華街を、うろついてる奴等もいたけれど、俺は、ちょとばかり突っ張っていただけで、結局のところ、地元のコンビニ辺りで、似たり寄ったりの悪ぶってるだけの男子と、たむろしているのが限度の小心者だったんだ。
だから、大学生になって、友達になったやつから、初めて誘われたのが、合コンなんて、嬉しくて仕方ない。ましてや、そいつも、初めてとか、俺だけじゃないってのが、変な安心感を生んでいた。
なんだか、楽しみだ。ワクワクする。
この時の俺は、ちょっとばかり、大人になった気分だった。
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