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「叔父様ったら、可愛い。合コンで、そんな風に思えるなんて。」
酎ハイのグラスを抱えた彩華が、クスクス笑いながら、圭吾に、言った。
「だから言っただろ…。まだ、俺が、純情少年だった頃の話だって。
俺だってな、初めてってのを幾つも経験して、今があるんだよ。
彩華だって、そうだろう。高校から大学へ進んで、初めて経験したことって山ほどあっただろう?」
「うん、そうだね。大学生になったからこそ、経験出来たこと、一杯あった。世界が、すごく広がったみたいだって、私思ったもの。」
「だろう…まあ、あの頃の俺も、そんな感じだったわけさ。」
圭吾は、優しく笑いながら、彩華にそう答えた。
「合コン自体はな、まあ、普通の合コンだった。ただ、男が足りないって言ってただけあって、男4に女6ぐらいの割り合いで、少しばかり女の子が多かったと思う。
千葉に声かけてくれた先輩は、世話好きな人で、この時期のまだまだ不安げな新入生に、いろんな意味で、出会いの場を提供してくれていたんだ。
自分が、新入生の時に、そう言う先輩がいて、物凄く助かったから、自分も、同じように、後輩達に接してるだけだと謙遜していたが、なかなか出来ることじゃないよ。」
「つまり、同性同士なら、友達に。異性なら、恋人になれる機会を作ってくれてるってことですね。」
「そう言うこと。そりゃね、友達作りより、彼女彼氏作りが、メインだとは思うけど、こんな機会がなけりゃ出会えないやつもいるわけじゃないか。だから、ありがたかったわけ。
俺みたいに、大学とバイト先と家の往復で、終わるようなやつには、特にね貴重な出会いの場だったわけさ。」
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