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銀座の片隅にある画廊の中は、人で溢れていた。
「うわぁ!すごい人!」
彩華は、両親に頼まれて、ある人に会いに来たのだが…。
「これは、ゆっくり、話を出来る状況じゃないわね。」
仕方なく、その場を後にして、暫く、街ぶらして、時間を潰すことにした。
「来る度に、街の顔が変わってるなぁ。まあ、それはそれで、楽しいからいいや。」
至るところで、再開発の工事をしている東京の都心部は、少し見ないと、どんどん変わっていく。
彩華は、音楽大学を卒業後、暫く、ヨーロッパにいたし、自宅は、23区内とはいえ、かなり郊外だ。余計に、街の変化に気が付くのだ。
鼻歌など歌いながら、ウインドショッピングを楽しみながら、時間を潰した。小一時間程経ったので、彩華は、画廊に戻ってきた。
「そろそろ、いいかなぁ。」
覗いてみると、今度は、少しばかり人が減っていた。
「よし!今のうち!」
思いきって、画廊の中に足を踏み入れた。
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