淡い想いを抱いて…

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お開きの声が掛かっていたらしく、みんな帰り支度をしていた。 相性のいい相手を見つけて、早々に、フケたやつらもいたみたいだが、ほとんどは、まだ、店の中にいた。 そんな中、彼女はというと、最初にいた場所で、やっぱり、帰り支度をしていたんだ。 俺は、彼女の前に立ち、息を吸い込んで、ゆっくり吐くと言った。 「あ、あの!」 「はい。」 振り向いた彼女を、じっと見つめて俺は、思いきって、話始めた。 「さっきは、ありがとう。ちゃんとお礼言えてなかったから。それから、君のこと覚えてなくて、ごめん。あの時と、雰囲気全然違ってたから、わからなかったんだ。 よかったら改めて、名前と連絡先、教えてくれないかな。」 周りにいた男子は、面白がって、俺を囃し立てた。彼女の友達らしい女の子達は、『ほら、チャンスだよ。』とか、言っている。 その時の俺は、そんなの全然、気にならなかった。 「君に聞いといて、きちんとした自己紹介まだでした。俺は、経済学部1年、高見沢圭吾です。よろしく。」 俺は、深々と、頭を下げた。
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