それは少し前の、ある異国の地で

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 ……退屈です。  退屈です。  遊ぼうにも遊び相手がいません。  学校に行こうにも夏休みだから学校は開いていません。  家事さえ、家政婦がやらせてはくれません。  ……退屈です  そう思いながら、エイミは金銀の装飾に彩られた天蓋つきのベッドに顔を埋めていました。  その時、ふと後ろの方から一際大きな、何か驚嘆するような叫び声が聞こえてきました。  エイミは何となしに振り返りました。  そこには、四角い箱が置かれており、その中にスーツを着た金髪の女性がマイクのようなものを持って一所懸命に叫んでいました。  テレビです。  それはテレビのレポート番組のようでした。  まったくやることもなく、無気力の極致にいたエイミはそれを見てみることにしました。  どうやらそれは外国のレポートのようでした。  ジャパン、という国の家を紹介する番組のようです。  レポーターが叫びます。
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