それは少し前の、ある異国の地で

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『ここがジャパンのヤシキと呼ばれる家のようです。中は全て木で作られており、扉もドアではありません』  そうしてレポーターはそれを指差しました。  それには、取っ手がついてませんでした。  それどころか、薄っぺらい紙……のようなもので出来ているようでした。  どうやって開くのか?  エイミは若干の興味を抱きました。 『ジャパンではドアの事をショウジと呼ぶそうです。これは押したり引いたりするのではなく、横にスライドさせて開くようです』  そうして、レポーターの手が黒縁で囲われた取っ手にかけられます。  エイミはちょっとだけドキドキしながらそれを眺めます。  スッ、と音もなくショウジが開かれ、そこには――  鮮やかな庭園が広がっていました。  そのギャップに、少しエイミは新鮮な驚きを感じました。  日本とはなんと不思議な国なのだろう、と今までとは違った意味で感心しました。
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