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「その絵は、君からでたのかい?」
変な質問をしたと思った。
僕はいつもそうなんだ。感じたことをうまく伝えることができない。
挙句の果てに人を困らせる。
まただ、また僕はやってしまった、と思った。
「そう、これは私からでたの。私の体、細胞ひとつひとつが働いて出来上がったの」
ーーーこれは予想外だった。
僕の感情が伝わった。
こんなこと、初めてだ。
「君は、透明な色をしてるね」
僕はまた不思議な言葉をいった。
すると、今までキャンバスに向いていた体がこっちを向いた。
そして、ふふっと笑った。
「あなたは面白い人ね。」
何が面白いのか、僕にはわからなかったが。
それはそれで面白かった。
「確かに、面白いね。」
僕はそういった。
ここが僕たちの原点だ。
これから起こる彼女と僕のお話の原点。
解説がないとわからない内容だけど。
まぎれもなく始まった僕らのお話なのだ。
「透明なんて初めて言われた。」
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