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ざざーーーーん・・・
ざざーーーーん・・・
あらすかの海で、ラッコ達が海藻のケルプに掴まって仰向けにプカプカと思い思いに暮らしていた。
本当にのんびり。
皆、呑気に貝を割って食したり、あくびしたり、のんべんだらりとしていた。
・・・みんなリーダーが守ってくれる・・・
・・・リーダーが何も言わないから、安全なんだろう・・・
・・・リーダーが守ってくれるから、安心して暮らせる・・・
皆、無口なリーダーラッコのパルダーを信頼しきっていた。
そのリーダーラッコのパルダーは、いつも鼻提灯を膨らませて涎を垂らしてグーグーグーグーイビキをかいて眠りこけていた。
しかし、リーダーのパルダーは恐れていた。
この平和なラッコの『王国』が大騒ぎになって、メチャメチャになることを。
恐れていた。
でも、その想いを脳裏に置いといて今はグースカ眠ることが皆を安心させる手段だと思っていた。
思っていた。
・・・大丈夫・・・
・・・大丈夫・・・
・・・言わねえ・・・
・・・言わねえ・・・
・・・言うと・・・
・・・でも、リーダーなんだ俺・・・
・・・まいいか・・・
グーグーグーグー・・・
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