第1章

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「あっ、類?何してたのよ!何度も携帯に電話したのよ!それより大変なの!剛叔父さんが亡くなってたらしの。お母さんも近所の人に連絡貰って今から、行くとこなんだけど、急いで帰ってきてくれない?」 母は慌てた様子で、一気に話すと一方的に電話を切ってしまった。 煮える部屋の中で寝ていて、起きた早々この展開じゃ頭が回らない。 母の慌てた様子から、冗談とも思えない。仕方なくのろのろと、起き上がる。 実家に帰る準備しなくちゃな。 亡くなったのなら、葬式もあるだろう。 喪服なんて、ばあちゃんが亡くなった時以来だから、どこにあるか分からない…などと回らない頭で考える。 腑に落ちない事ばかりだが、人の死って分かんないよなーと、思う。 「剛叔父さん、俺に留守電入れてから、亡くなったってことだもんなー。」 取りあえず何が必要か、荷物を取り出す。葬式か…仕方ないが面倒くさい。
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