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携帯が、着信音を鳴らす。
「類?もしもし!類聞いてるの?」
また、母からだ。
「なんだよ、母さん。聞いてるよ」
母に俺の声は、届いていない様だ。
このマンションは、立地条件が悪く電波が入りずらい。よくある事だったので、気にしなかった。
「類?聞こえてる?類!」
母の声が、耳障りで通話を切った。
帰ってから、聞けばいい。
少し頭を休めたいところだが、のんびりしていたら、母に叱られそうなので準備を急ぐ。
蒸し風呂の様な部屋で寝ていたせいで、汗だくだ。軽くシャワーも浴びたい。
亡くなっているのなら、そんなに急ぐ必要も無いだろうと、風呂場へ向かう。
冷たいシャワーを浴びると、少し頭がすっきりした。
体のだるさも少し落ち着いたようだ。
それにしても、剛叔父さんが亡くなったなんて信じられなかった。
あの留守電は、なんだったんだろう。
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