第1章

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死後三日? じゃあ、俺の留守電は? 確かに剛叔父さんの声だった。 ギター弾いてるのも、叔父さんらしい。 叔父さんは、いつでもギターを手元に置いていて、暇さえあればギターを弾いてていた。 やっぱり、あれはどう考えても剛叔父さんだ。 じゃあ、何故死後三日も経ってんだ? また携帯が、着信音を鳴らす。 液晶画面に母さんと出ている。 「類?今やっと帰り着いたの。で、近所の方も来て下さって… 叔父さん、携帯握りしめてギター弾いてる姿で、座ったまま亡くなってたそうよ」 母の言葉に、この暑さの中寒気がした。 母に何と言えばいいのか分からない。 「叔父さん、類を可愛がってたもんね。類に知らせたかったんじゃないのかしら?」 母は、涙まじりに恐ろしくセンチメンタルな事を言う。 そんなのただの怪談じゃないか! 心の中で、つぶやいた。
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