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初めにその光が眼に入った時、勘違いだったのかと思わせるほどに短く 一瞬の内に、それは夜の闇に消えた。 だが、すぐに再び光ったことで、錯覚などではなかったと分かる。 それどころか、その光は明らかに動いていた。 ほんのわずか、俺の背筋に寒気が走った。 しかし、思わず自転車を止めて目を凝らし、光と共に動く人影を見付け 俺は、にわかにビビった自分に苦笑した。 そこは、かつて小さなスーパーが建っていたという場所。 だが今は、そんな名残など欠片もなく、朝のゲートボールから 町内の盆踊りまで多目的に使用される空地になっている。
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