第1章

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本当に驚く。 葉山先生の教え方に。 最初に説明されたやり方が分からなければ、違った角度でいくらでも説明をして来る。 自分の質問だけでなく、他の子の質問の内容も気になって、聞いていたら、葉山先生の少し低いかすれた声が優しく耳に届く。 ちょっと癖のある達筆風文字は、若干読みにくいけど。 でも、死神とは雲泥の差。 早く私も質問がしたいと先生の様子を伺うが、俺が私がとガツガツ出来ている子達の勢いに負けてしまう。 うん、私は後でいいっす。 その分、他の子達が質問している内容もコッソリ覗かせてもらう。 そんな中、沙耶は眼鏡を拭きながらチラチラと先生を盗み見している。 自分で教えてもらいたいと伝えてこの場を作ったのに、ゴリゴリと押し入っては行かないんだね。 乙女心が分からない私は、沙耶の様子を見て、またまた疑問だらけになった。
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