第1章

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「水田、最近部活どう?コンクールとか出す気になったか?」 先生は、沙耶に声をかけた。 沙耶は、書道部に在籍しているが、なかなか個性の強いメンバー揃い。 純粋に書道を楽しむだけでは終われない色々がある。 だから、あまり楽しくはないらしく、コンクールも出そうとはしていない。 「えっと…、まだ充電中です。」 私の前に座る沙耶は、私のノートを見ながらボソっと答えた。 「そっか、締め切りは夏休み明けだから、それまでに充電終わるといいな。」 先生も、無理強いはしなかった。 葉山先生は、書道経験が長く、かなりの達筆だと聞いたことがある。 沙耶は、1年の時の部活紹介で葉山先生に一目惚れして、そのまま書道部に入ったらしい。 そのまま、書道自体は好きになれたらしいんだけど。 どの部活も、メンバーが濃いと恋愛事情も濃くて、大変みたい。 先生一筋なのに、色々巻き込まれてしまうのは、沙耶のサバサバした性格が災いしているのかもしれない。
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