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俺はどうやら運が良いらしい。
誰から送られたかわからないけれど、鴇さんと付き合えるようにしてくれるんだって。
もしそれが本当ならどんなに嬉しいことか。
それにしてもどうやって学年でもトップクラスの人気を誇る彼女を振り向かせるのだろう。
残念というか申し訳ないというか、自分で言うのもアレなんだけれど、俺には魅力なんてものは何もない。
とりあえず藁にもすがる思いとでも言えばいいのだろうか、その〝こくはく部〟とやらに依頼することにした。
「えっと、どうすればいいんだっけ。国旗をひっくり返しにするんだっけ?」
今まで一度も目に留めもしなかった当校の旗。
今は校舎よりも上の方でパタパタと風に揺られている。
それにしてもなんか嘘くさいよなぁ、俺騙されてて、陰で爆笑されてるんじゃないかな。
そんな思いとは裏腹に実行してしまう。
我ながらおかしな事をしている。
下駄箱で靴に履き替え、帰路につく。
校門をくぐる際チラリと振り向くと、一応旗をひっくり返しにしておいた旗は前と変わらず何もおきそうになく、ユラユラと漂うだけだった。
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