運命の赤いヒモ

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「はぁ、今回もダメだった……」 誰に言うでもなく、独り呟いた。 溜め息と共に。 友達が1人、また1人と幸せを掴んでいく中、どこか簡単に考えていたところがあったのだ。 気付けば私は30歳を目前に焦っていた。 何せ、彼氏も暫くいない。 元彼と別れたのはいつのことだったか。 そんな私の目に留まった、カップリングパーティーの広告。 いわゆる、婚活パーティーというもの。 婚活にはまだ早いかな……。 でも、このまま1人のままでいるのも辛い。 思いきって申し込んでみたものの……。 「これで、5連敗中か……」 婚活パーティーには意外と若くて可愛い女の子も来ていて、エントリーシートには年齢を書く欄もあり、気になった男性はみんな可愛くて若い子とカップリングになっていく。 段々心も折れていく。 今日も気になった男性は可愛らしい女の子とカップリングになり、笑い合っていた。 とぼとぼと会場から駐車場に向かい歩いていたときだ。 「そこのお嬢さん」 どこかで声が聞こえた。 誰を呼んでいるのだろう。 「そこの眼鏡のお嬢さん」 え?もしかして、私のことかな?確かに眼鏡してるし……。 キョロキョロと辺りを見回すと、道端にひっそりと白髪のお爺さんが腰掛けていた。 易ってたしか、占いだよね? 怪しいな、関わらないでおこう。 気付かないふりで通りすぎようとしたのに、足が勝手にお爺さんの方に吸い寄せられていく。 何?この吸引力! 「何ですか?」 観念して、お爺さんと向き合う椅子に座った。 「お嬢さん、何か悩みがあるね?」 お爺さんは私の顔を顔を見るなり言う。 「はぁ……」 曖昧に答える。 そりゃそうだ。悩みなんてなければ、溜め息なんてつきながら1人で夜道を歩いてなんかいない。 「恋愛に関しての悩みだね?」 とりあえず、頷いてみた。 お金の話が出たらキッパリ断って逃げよう。 「運命の人に出会いたくはないかい?」 キラリ、とお爺さんの片目が光った。 「ここに、運命の人がわかるヒモがある」 お爺さんは懐から赤いヒモを取り出した。 長さは30センチくらい。 ちょっと待って、運命の赤い糸ならぬ、赤いヒモって何よ? 聞いたことないし、そんな長さで運命の人がわかるの? どう使うのよ? 一瞬のうちにツッコミと疑問が沸き上がった。
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