卑怯な手品師

"まじっく"に目覚めました。

今日も、夕飯のことを考えていた。
一緒に旅をしているマーガレットは性格に少し難があるものの、料理が得意だ。
しかし、今日は満足に食べられないかもしれない。
最近、旅の途中で町に突き当たらないから、バイトもしてないし、おまけに食料もない。
人参を食べきった子馬のライは、その辺の草を食べれるからいいけど。
グルマーになったリュには、そんなもので夕食を終えたりできない。
あっ、そういえば一個だけ、ポケットに飴が残ってた。
プチプチ口の中で弾けるやつ。
でもこれだけでも、夕食代わりにできない。
目標は今日中に村か町に着くことだ。
はあ。
もう正午過ぎかあ。
マーガレットが文句を言うこともなく着きますように。
日の注がれる鮮やかな緑の草原を、今日もリュ達は歩いている。