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後退りする良夫に、サラリーマンは不気味な笑みを浮かべ口元からダラダラと冷やし中華を垂らしている。
「あはははは!」
「うわああ! 助けて!」
良夫の皮膚の至るところから次第に冷やし中華が溢れて来る。殴った拳の擦りむけた跡からも麺が吹き出していた。
「神様! 助けて!」
良夫は後退りしながら無意識に合掌していた。
サラリーマンはゆっくりとわらいながら良夫に近付く。
「今、お前の呼んだ神の名は?」
「え?」
「神様と言ったろう? その神の名は?」
神の名と問われて良夫は何も答えられなかった。
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