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ライト
「って、えぇっ?!な、何今の!?
って!何コレ?!インナー短い!へそ出てる!『露出多いのは美人の方がよく似合うから空には無理だ』って聖夜に言われてるのに!?
……あ、でも“カッコ可愛い”というのならアタシにもチャンスが、じゃなーい!?というか髪型まで変わってるー!?」
無意識に、というよりは自分の意思とは関係なく叫んでいたセリフ、そして窓に映った今の自分の格好にライトは大混乱する。
「ヒドイナー」
ポストヒドイナー
「ヒドイナー!」
ライト
「って、あぶ――――」
隙を突く様に指示されて飛び掛ってきたポストヒドイナーを避けようと“全力で”地を蹴ったのが運の尽き。
ライト
「なあああああぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
急なアクセルを踏んだ車の様な勢いで爆音の様な派手な音を立てて近くの塀に減り込んでしまって、ベシャリと地面に落ちて数秒後に頭を押さえながらゆっくりと起き上がる。
ライト
「い、痛いけど痛くない……!」
『空、いや、ライト!とにかく落ち着いて!』
左腕に着いているリードコミューンから聞こえた声にハッとして視線を落とす。
ライト
「ねえ、これどういう事!?変身!?今だってとんでもないスピードだったし!?」
『うん、僕も正直驚いている。キミが力を得たのも事実だし、その力でさっきみたいな身体能力を発揮できるのも事実だよ』
ライト
「えーと?」
『ただ、1つ1つの行動を全力でやってるから、その所為でコントロール出来てないだけだ』
ライト
「加減しろって事? アタシそういうの苦手なんだけどなぁ……」
『細かい説明は後!来るよ!』
ライト
「へ?」
リードコミューンへと向けていた視線を上げれば再び飛び掛ってくるヒドイナーの姿があって、逃げようと再び両脚に全力を籠めて地を蹴った。
ライト
「だあああああぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
また壁にぶつかる、そう思われていたがグッと身体を捻って足が塀に平行になる様に体勢を変えて、塀に足を着いてグッと膝を折り曲げる。
ライト
「止まれないなら――――」
一種の開き直り、又は閃きと言うべきであろうか。折り曲がった脚をバネの様にして再び力を籠める。
ライト
「こうだっ!」
ポストヒドイナー
「ヒドイナッ!?」
まるで自身を弾丸にでもしたかの様に渾身の体当たりを食らわせた。
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