手紙

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-回想- 俺と春日井が、お互いを認識したのは小学一年の春だったと思う。 入学式の後で、クラス分けが終わり自己紹介が始まった。 春日井の出席番号は12とそれなりに早かった。 「春日井 夕凪です。宜しくお願いします。」 綺麗な声だった。 それこそ風鈴がチリンと鳴るかの様な綺麗な声だったことを今でも覚えている。 ちなみに、俺やその他有象無象の自己紹介は割愛させていただく。 理由? 需要が無いからだ。 いいか?語っている俺の身にもなってみろ。 せっかく早瀬 日々人と春日井 夕凪の出会いについて回想しているのにその他有象無象、塵芥の事など回想するわけが無い。むしろ回想において、俺という存在すら消してしまいたいくらいだ。何故ならば現時点での唯一の潤い成分である春日井 夕凪が最も需要があると合理的に考えればコミュ症で底辺を這いずり回っている早瀬君にも分かってしまう。つまり猿でも分かる。というか俺が春日井について語りたいんだ。灰色の日々を送る俺にとって春日井 夕凪こそが唯一の絶対的癒しであり、生きる糧だ。そしてクンカクンカしたいんだ。 なによりッッ!! 他の奴なんぞ覚えていない。
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