鏡との出会い

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人には記念日や特別な日がある。 人が結婚したら結婚記念日。 人が産まれたら誕生日。 私は明日、自分の誕生日に、一年目の記念も兼ねパーティーをする。 なにが一年目か? それはね、 「もうアイツと付き合って一年目か」 「アイツじゃなくて宏人ね」 「通じてるからいいだろ」 私は明日、宏人と付き合って一年になる。 私達は本当に仲が良くて、浮気も、お互いを怪しんだことすらもない。 それぐらい厚い信頼関係がある。 「あおみたいな人にアイツ呼ばわりされたくない」 「へーへー、すみませんねー。」 こいつ反省してないな。 イラってきたから軽く足を蹴った。 あ、痛そう。ざまみろ。 目の前にいるのは、清水蒼。 蒼ってかいて『そう』と読むけどワケありで私は昔から『あお』と呼んでる。 私もあおから『すず』って呼ばれてる。 本名は寺坂りん、なんだけど。 まあこれもワケあり。 私達は幼稚園から一緒。 いわゆる、腐れ縁。 「ったく……そんな態度じゃ考えてやんないから、彼氏へのプレゼント」 「えっ!ごめん!ごめんなさい!!」 「悪く思ってないだろ、にやけてんぞ」 だってあお、私に本気で怒ったことないじゃん。 そう言ったら、図に乗るなって小突かれそうだから黙っておいた。
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