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お財布に優しいファミレスを出て、お財布に厳しめの大手ショッピングモールに。
ついた途端あおは眉間にシワをよせて私を見る。
「なに?」
「いやあんたな……ここ高いだろーが! 俺に奢らせる気か!?」
「なんで男友達に彼氏のプレゼントを買ってもらうのよ! 自腹だわ!安心せい!」
怪訝そうな表情のままのあおを連れて(というか強引に)エスカレーターを駆け上ると目当てのお店に入った。
「なんかね、宏人、ここの財布ならなんでもいいんだって」
「そりゃあ……男ならこういうブランド物は身につけてたいだろうし……」
「あおも?」
「ただで貰えるなら……でも高いんだよなここ」
ほれ見ろと言わんばかりに値札を指差す。
私はギョッとした。
「っ……!?たっ…!」
「騒ぐなって、みっともないだろ!」
咄嗟の判断で口を塞がられる。
ありがと、あと少しで店員さんに睨まれてたに違いない。
「……あんたさ、貢がされてるわけ?」
「宏人がそんなことするわけないから! 下らないこと言ってないでどれがいいか考えて!」
何てこと言い出すのこの馬鹿は。
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