鏡との出会い

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うん、貢いでるつもりはない。ないよ。 でもバイト代はほとんど宏人のために消えてってる。 おしゃれな服、化粧、アクセサリー、交通費。 あと…… 『会いたくて、急いで来たから腹減っちゃった!』 そう言われると頬が緩んで、ご飯とかも奢っちゃう。 「……いやだからそれ、貢がされてんだろ」 「はぁ?違うってば」 「すずは学習した方がいい……さっきだって高い財布ばっかだったろ」 プレゼントを選んだあとの帰り道。 みんなに馴染みのある自販機で購入したアイスをかじりながら歩く。 「うぅ……一番安いので良かったのかなぁ…」 「馬鹿かあんた。なんで大金をかけてまで金をしまう物を買うんだって話。下手すれば財布とられるし。だいたい大事なのは財布の中身だろ」 「きゃー、あおさんはロマンがない!」 「事実だろ! そりゃあったら嬉しいし俺も使うだろうけど」 「あおの話は聞いてないー……あ、一口」 「えー……すずの一口はデカいから嫌」 「よいではないかよいではないか」 一口、という名の二口分食べてやった。 あおが情けない声を上げてるけど無視。 だって宏人のこと、悪く言うから。
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