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ピピピッ ピピピッ…
「……ん………ぅ…」
目覚まし時計の音に眠りから覚めた俺は、目を開けずにいつもの場所に置いてある目覚まし時計のスイッチをカチッと押す。
眠りから覚めたといっても、目を開けてベッドから起き上がったのは目覚まし時計の音が鳴ってから少し経っての事だった。
「ふぁぁぁ……。んぅぅ………」
ベッドの上で両腕を天井に向かって思いっきり背伸びをしながら、俺は目覚まし時計に目を向ける。
「7時15分…。さてと…」
下半身にかかっていた毛布から抜け出してベッドから降り、朝食の準備をする。
俺の名前は『渡邉一(ワタナベハジメ)』
職業は高校二年生。
高校へ入学する際に、両親から承諾を得て一年以上前からアパートに住んでいる。
「頂きます。」
朝食のスクランブルエッグ、海苔、味噌汁、ご飯を食べ終えて学校に行く準備をする。
時計を見ると7時45分を指していた。
「……あ、そうだ。今日は燃えるゴミの日だな。」
俺は部屋から出る前に、事前に分けていた燃えるゴミを二袋持ち上げて部屋を出て鍵を閉める。
「おはようごさいます。」
「あらおはよう。今日も元気だねぇ。」
「そうですね。」
学校の通学路で出会う近所の顔見知りおばさんに挨拶をして学校に向かう。
その途中、ゴミ集積所があるのでそこにゴミを出す。
「よいしょっと。ふぅ…。……ん?」
指定の場所にゴミを置いて行こうとした俺の目にふと、茶色い四角い物が見えた。
「…何だろ?」
ゴミがある所から拾うのはちょっと引けるけど、それ以上に茶色い四角い物の存在が俺の好奇心をくすぶる。
周りに誰も居ないことを確認して、俺はゴミの上に置いてあった茶色い四角い物を手に取る。
「…日記帳?」
少し古い感じの日記帳。だけどそれほど汚いという訳でもなく、むしろ綺麗な方だ。
ページをペラペラめくると白紙の状態だったので十分使えそうだ。
「勿体無いなぁ…、まだ使えるじゃん。…丁度良いや。買う手間が省けたぞ。」
俺は日記帳をバックに入れて学校に行く事にした。
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