Round0. プロローグ

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――寒い。 どこか底冷えするような感覚に、ぶるりと身震いをして目が覚めた。 目を開いたはずなのに、真っ暗な空間だ。 どういうことだろう。 瞬きをする。 二度、三度。 睫毛が何かに擦れるような感覚があって、自分は目隠しをされていることに気が付いた。 目を開いても閉じても変わらない闇の空間に、焦燥感が広がる。 どうして私がこんなことに…… 現状を把握しようとするけれど思考が追いつかず、苛立ちと焦りが混じりあう。 目隠しを解こうとしたが、身体は言うことを聞かない。
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